年齢別・発達障害との付き合い方(男の子の場合)

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発達障害についての院長インタビュー

就学前のお子様への接し方

何を伝えられなくて困っているかを考える

男の子はもともと女の子に比べて言葉が遅く、人に伝えるのが苦手だという面があります。発達の特性があるお子様の場合は、それが特に顕著で、癇癪(かんしゃく)を起こしやすくなり、中には表現が暴力的になるお子様もいます。そんなときに、保護者の方に意識していただきたいのは、「ダメよ」とその行動を注意するのではなく、お子様が何を伝えられなくて困っていて、この行動を取っているのかを考えることです。そして、行動の原因が分かったら「○○で困っていたんだね。そういうときは『助けて』って言っていいんだよ」と伝えてあげるようにしてみてください。

人に興味をもつ工夫をする

発達障害のお子様の中には、人に興味が持てず集団行動があまり好きではないというケースもあります。例えば、よくあるのが何かやってもらいたいことがある場合に「やって」と口に出すのではなく、お母さんの手を引っ張って「やって」と訴える。これは「クレーン現象」と呼ばれているもので、お母さんの手がお子さんにとってUFOキャッチャーのクレーンのようになっている状態のことをいいます。その子にとって、お母さんの手が自分を助けてくれる存在なのではなく、本当に大事なのは助けてくれる「人(=お母さん)」の方だよ、ということ伝えていくことが大切です。ものを取ってあげたときには、ものの先にお母さんの顔を一直線に並べて「はい、どうぞ」と言ってみる。そうすることで、お子様に「この人が助けてくれたんだ」と認識させるところから始めてみてください。

小学生のお子様への接し方

自立する部分を増やしていく

小学生以降になると集団行動が生活の中心になります。その中で、自立する部分を増やしていくことが大切です。ただし、「自立する」といっても、なんでも自分で決めてしまうのではなく、先ほど「助けて」と言えるようになることが大事とお伝えした延長線上で、まずは「これはやっていい?」と周囲に聞く練習をしていくことが大切です。発達障害のお子様は、違った視点や感性を持っているので、みんなが「こうだよね」ということに対して、異なる解釈をしがちな傾向があります。そこで、周囲はどう思っているのかを尋ねられるようにして、「これは違うかったんだ」「これは、こういう風に考えるのか」というように、状況証拠を積み上げていくと「じゃあ、こうすればいいんだ」と理解できるようになってきます。

学習面のサポートを行う

小学生になると対人関係だけでなく、学習面での困りごとが出てくる場合があります。「文章の意図が読み取れない」「数字の概念が理解できない」のほか、平均的な学力はあるけれど「字の形を認識することが難しく文字が読めない」「字が歪んで見える」といった学習障害(LD)の症状が現れるケースもあります。特に、日本語でつまづいてしまうと、全ての教科に苦手意識が生まれ、どんどん「勉強はいやだ」と思うようになってしまいます。そのため、この時期に勉強嫌いにならないように、お子様の得意な面を活かすなど、工夫をしながら学習を進めていくことを心がけてあげるといいでしょう。

中学・高校生のお子様への接し方

睡眠不足など生活の乱れに気をつける

中学・高校生になってくると、学校に加えて部活や塾などの習いごとで帰宅時間が遅くなり、それにともなって睡眠時間も減少する傾向があります。思春期のころは、ただでさえ精神面でも不安定になりがちな年頃だということに加えて、体も急激に成長していきます。体の不調は心の不調にもつながるため、きちんと睡眠時間を取り、生活リズムを整えることが大切です。

第三者をうまく頼る

中学・高校生は第二次性徴が始まり、男性ホルモンも急激に増えてくる時期です。この時期は、いろいろなことに対して感情が爆発しやすくなり、親に反抗的な態度を取るといったことも増えてきます。お子様と分かりあえず、つらい思いをされるかもしれませんが、そういうときは家庭内で問題を抱えこまず、学校の先生やカウンセラー、医師など外部の人をうまく頼ってください。何かあったときに「この人なら相談してもいいかな」と思える人たちがお子様にいることが、とても大切です。

性の問題についても気をつけてあげる

発達障害のお子様の中には、性の問題についてピンときにくい子もいます。年齢が上がっても相手との距離感が分からず、「仲良し」という表現方法のつもりで抱きついたり、近寄りすぎてしまうことがあります。「それが原因で相手から嫌われることもあるかもしれないよ」と伝えるなど、どの程度の距離感で接するのが適切かをきちんと教えてあげることも必要になってくるでしょう。

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